Loewe "Rhodesian" Rhodesian (1940s?)

pic01

description:

このパイプは筆者初のLoeweであるが、その質には正直驚かされた。まさにワールドクラスのパイプメイキングをしていたメーカー、それがLoeweである。

グレード名導入以前の、非常に美しいナチュラルステインの、シェイプ名にずばりRhodesianの名を持つ大ぶりのローデシアン。グレインとステインの美しさもさることながら、このシェイプエクスキュージョンの美しさはどうだろう!ローデシアンといえば真っ先に思い出すのはDunhill シェイプPであるが、シェイプPのマッシブでありながら男性的で謹直なイメージとはほど遠い、優美で繊細、そして(矛盾する様だが)大胆なシェイプである。グレード名が無いこと、シェイプ名を持つこと、そしてリップの造型などから戦前のプロダクションであると想像できるが、昔日のLoeweのパイプメイキングが、まさにDuhillをライバルとする体のものであったことを雄弁に語る1本。

尚、このパイプには円内に円形に整列されたMADE IN ENGLANDの刻印を持っている。Loeweコレクターの間では、これは主にアメリカ輸出向けの製品に刻印されたものではないかと言われている。

pic02 pic03 pic04
pic05 pic09

Loewe "Rhodesian" shape execution :↑

辺りを払う威風堂々とした趣をもちつつ、どこか柔和な女性的なニュアンスを感じさせるLoeweのシェイプRhodesian。アーキタイプなローデシアンシェイプ・エクスキュージョンと言っても過言ではない。

pic06 pic07 pic08

 

pic10 pic11 pic12

Briar texture:↑

素晴らしく美しいナチュラルステインを薄く施されたブライヤーのクオリティは、完全無欠の一言。グレインも美しい。Dunhill ROOT BRIARよりもさらに薄く、黄金いろに輝くステインは、どこかモダン・イタリアン・ハンドメイドを思わせるほど。このサンプルはボウル外面にはほとんど傷もない状態であったが、チャンバーにかなり深刻なアウトラウンドがあり、他の状態が極上だけに非常に惜しまれる。

 

pic13 pic14

Engineering:↑

(上)丁寧にエンジニアリングされたボウル側のエアホールと、べべルされた吸気口を持つ二段テノン。イングリッシュメーカーのスタンダードをLoeweも踏襲している。(下)リップの造型。ビットはやや丸みが強いが、リップが大きくホールド性は良好。

 

pic15

Additional Stamping:↑

アメリカ輸出向け(?)を示すMADE IN ENGLANDの円形スタンプと、シェイプ名の刻印のアップ。

 

 

 

shape #Rhodesian Rhodesian
stem: handcut vulcanite
junction: normal
color: pale natural
ornament:none
length:135mm
height: 40mm
chamber dia: 19mm
chamber depth: 31mm
weight: 42g

nomenclature:
LOEWE
LONDON W.
-------------
L&Co
-------------
RHODESIAN
MADE IN ENGLAND (circular, in a circle)

note:
・チャンバーアウトラウンド
・トップ焦げ少々
・ハンドリングマーク極少々