3-bar logo マウスピースの判別法

概要

Comoy's of Londonのセカンドブランドであり、London Pipe Companyの名前の下販売されていたブランドはGuildhall、Everymanを筆頭にいくつかのブランドが存在します。これらのパイプは3-bar logoというアルミ板をインパクトでインレイされた三本線のロゴが特徴です。これらの3-bar logoを備えたパイプのマウスピースはにはハンドカット・バルカナイトのものとモールドの2種類があるのですが、今回2ちゃんねるのスレッド 【パイプ】オールドブリティッシュ4【クラシック】でのやりとりで、これらのマウスピースの判別法が分かってきたので紹介します。

GuildhallとEverymanの歴史とdating

Everyman

Everymanは1935年に初登場したComoy'sのセカンドブランド。この初期型Everymanのボウルクオリティは素晴らしくComoy'sラインの製品に引けを取らない。僅かにサンドピットが散見される程度。フィニッシュはノンコントラストのダークプラムフィニッシュ。

初期型Everymanの刻印は
The
Everyman
Pipe(以上斜めのイタリック体)
MADE IN ENGLAND(円形スタンプ)
菱形内にEのホットスタンプ・ステムロゴ
となる。

1950年代に入ると、このページのテーマである3-bar logoが導入される。この時点からEverymanはComoy'sのセカンドブランドの中でも比較的低価格のエントリーグレードと位置づけられ、パテ埋めが散見されるボウルクオリティになる。フィニッシュはナチュラルオレンジ、ダークウォルナット、ブラックサンドブラストの三種類。

中期型Everymanの刻印は
The(斜めのイタリック体)
EVERYMAN(セリフ、ブロック体大文字)
LODON PIPE(セリフ、ブロック体大文字)
MADE IN LONDON(円形スタンプ)
ENGLAND
3-bar ステムロゴ
となる。

1960年代半ば、Comoy'sはLondon Pipe Company向けセカンドブランドに、今まで刻印したことのなかったComoy'sの刻印を押すようになる。

後期型Everymanの刻印は
The(斜めのイタリック体)
EVERYMAN(セリフ、ブロック体大文字)
LODON PIPE(セリフ、ブロック体大文字)
MADE IN ENGLAND
BY
COMOY'S
3-bar ステムロゴ
となる。

Guildhall

Guildhallは1948年に初登場。登場当初はいかにもセカンド然としたロークオリティのパイプで、大きなパテ埋めがあるボウルクオリティ。フィニッシュはノンコントラスト・ダークプラム。

初期型Guildhallの刻印は
GUILDHALL (ブロック体大文字)
MADE IN ENGLAND(円形スタンプ)
円内にGのホットスタンプ・ステムロゴ
となる。

1950年代に入ると、Guildhallは劇的に変貌を遂げる。3-bar logoの導入と共に後にGuildhallのトレードマークとなるRusset Gold(Golden Contrast)カラーの導入、そしてボウルクオリティの向上である。この時期以降、GuildhallはComoy'sセカンドブランドの中でも上位の製品として位置づけられた。フィニッシュはハイコントラストなRusset Goldスムースのみ。

中期型Guildhallの刻印は
The(斜めのイタリック体)
GUILDHALL(セリフ、ブロック体大文字)
LODON PIPE(セリフ、ブロック体大文字)
MADE IN LONDON(円形スタンプ)
ENGLAND
3-bar ステムロゴ
となる。

1960年代半ば、Comoy'sはLondon Pipe Company向けセカンドブランドに、今まで刻印したことのなかったComoy'sの刻印を押すようになる。

後期型Guildhallの刻印は
The(斜めのイタリック体)
GUILDHALL(セリフ、ブロック体大文字)
LODON PIPE(セリフ、ブロック体大文字)
MADE IN ENGLAND
BY
COMOY'S
3-bar ステムロゴ
となる。

マウスピース製法の判別

ここからが本題であるが、3-barロゴには二つのタイプが中期型・後期型を問わず存在する。
3-barロゴがジャンクションより離れてインレイされたもの
3-barロゴがジャンクションに端を接してインレイされたもの
の二種類である。スレッドでサンプルを採集してみた結果、3-barロゴがジャンクションより離れてインレイされたマウスピースはハンドカット、ジャンクションに端を接してインレイされたマウスピースはモールドである確率が極めて高かった。これはインレイのされ方の違いはマウスピース製法の違い、すなわちスタンメルに挿入された状態で製作されたハンドカットマウスピースのジャンクションぎりぎりにはアルミ板をインパクトできないといった問題(万が一シャンク側にはみ出た場合、マウスピースを回転させることが不可能になってしまう)から生じたものだと思われる。

この点に注目することで、実際にパイプを手に取らず、ebayのリスト写真などを見るだけでもハンドカットマウスピースを備えたパイプかどうか、容易に判別ができるようになるだろう。

ハンドカット・マウスピース

handcut

ハンドカットマウスピースの3-bar logo。インレイされたアルミ板の左端は、ステムとシャンクの接線に達せず間隔を残している。

モールド・マウスピース

mould

モールドマウスピースの3-bar logo。インレイされたアルミ板の左端は、ステムとシャンクの接線に達している。

 

 

スレッドでサンプル採集に協力していただいた方々にお礼を申し上げます。