Sasieni

models & grades:Family Era

Sasieni of London

Eight Dot

One Dot

Four Dot Natural

Four Dot Walnut

Four Dot Standard

Four Dot Plum

Four Dot Ruf-Root natural

Four Dot Ruf-Root dark

Four Dot Rustic

Two Dot

Seconds made by Sasieni

Sportsman

Fantail (natulal smooth/line carved rustic)

Tweed (dark brown smooth)

Craven (brown natural smooth) [shape No. prefix #6]

Henley Club

Barkeley Club (black rustic) [shape No. prefix #7]

Sandhurst (light brown sandblast)

Englandaire

Friar [shape No. prefix #9]

His Royal Highness (redish brown smooth) [shape No. prefix #3]

Royal Stuart (redish brown smooth/redish brown quaint carved)

Windsor (black sandblast)

Worcester

Litewate

Claret(stem logo is One-Dot, but not first)

Mayfair (brown natural smooth) [shape No. prefix #6]

Canadian (black rustic)

Old England (black rustic) [shape No. prefix #7]

Fribourg & Treyer Reject

McDonald(smooth light brown finish, very minor defects & good stems)

Model解説

Sasieniのトレードマークであり、同時にモデル名もあった Dot であるが、やや事情が複雑なので以下に簡単にFamily Eraのモデルに関する概要を記しておく。

One-DotはSasieniのごく初期から存在したモデル/トレードマークで、Four- Dotがアメリカ市場で販売され始めた後も、ヨーロッパ市場向けに供給されていた。しばしばOne-Dotは"セカンド"品と混同されるが、ヨーロッパ市場におけるれっきとしたSasieniのトップグレードである。また、Eight-Dotが現れたのちはおなじくヨーロッパ市場において、ステムの両サイドにそれぞれ一個のDotが刻印されたモデルも存在した。これはTwo-Dotではなく、One-Dotの"Eight Dotバージョン"である。One-Dotは戦後しばらくの間まで生産され続けた。

Two-Dotは、1960年代以降に歩留まりの悪さを解消するべく、軽微なフローのあるパイプをSasieniブランドで販売したもの。Mayfair、Royal Stuartなどのセカンド品とFour-Dotのファーストラインの中間に位置するパイプである。シェイプ名は刻印されない。

Four-DotはSasieniのフラッグシップモデルであり、フローやサンドピットのない完璧な"クリーン"さを誇っていた。Four-Dotは1920年代後半より導入され、しばらくしてEight-Dotにその座を譲った。1939年以降再びトップグレードに返り咲いた後はFamily Eraを通じて生産されることになる。そのため1920年代に生産されたFour-Dotは非常にレアなアイテムとなっている。フィニッシュにはNatural、Wallnut、Standard、Plum、Rustic、Ruff-Root Natural、Ruff-Root Darkなどがあるが時代によってラインナップに差がある。なおシェイプナンバーを示すイギリスの都市名にちなんだシェイプ名の刻印が打たれるのは1926年以降、Four-Dotの刻印がシャンクに打たれはじめるのは第二次大戦後、Alfredの時代になってからである。

Eight-Dotは、1927年ごろ、アメリカの輸入元を努めていたJohn Hudson MoorがJoelに提示した、スモーカーのどちら側から見てもパイプをアイデンティファイできるようにという要求から産まれた刻印。Four-Dotに取って替わって当時のSasieniの最高グレードしめすロゴとなった。第二次大戦中の物資不足によって、1938年に廃止される。1939年以降はFour-DotがSasieniの最高グレードとなる。Four-Dotと同じく、シェイプナンバーを示すイギリスの都市名にちなんだシェイプ名の刻印が打たれる。

Patent No.

Sasieniのパイプには2種類のPatent No.が現れる。

UK PAT. No 150221/20

Sasieni Patented Extension。1920年に受諾された特許で、Comoy'sのGrand Slam Systemに酷似した、オフセットされた煙道を持つアルミチューブを指す。戦前に生産されたFour-Dot、Eight-DotはこのNoを備える。1945年以降、Sasieniはこのアルミチューブを使用するのをやめている。(以前このPAT.Noをオーブンキュアリングに関する特許のものと書いていましたが、オーブンキュアリングの特許番号はUK PAT. 124410で誤りでした。訂正いたします。)

US PAT. No 1513428

Sasieni Patented Extension。UK PAT. No 150221/20のアメリカにおける1924年に受諾された特許。

 

セカンドブランドのPatent No.。

PAT. No D-170067

FantailのFantail-bitに関する登録意匠(Registerd Design)。Fantail-bitは中程がチューブラー状になって、ビットで大きくフレアする独特のステムのスタイル。

Additional code

(シェイプNo.、シェイプネームの後の)Sサドルビット

XSエクストララージ

SGキングサイズ

KING SIZEキングサイズ。たとえFour-Dotでもシェイプ名は持たず、シェイプNo.が刻印されることに注意。

Additional code (second line)

SF(Royal Stuart)Quaint風Carvedフィニッシュを示す(?)

R(Old England)Rusticフィニッシュを示す(?)

M(Old England)ミリタリーマウント風ラウンドシャンクエンド(?)

Shape Number Prefix for Second lines

Four-Dotなどのいわゆる"ファースト"ライン以外のSasieniのシェイプにはシェイプNo.が刻印されるが、この前にラインを示す数字が刻印される場合がある。MayfairのラインNo.は6であり、シェイプ88のMayfairのパイプのシェイプナンバー刻印は688となる。 以下に判明しているラインNo.を記すが、必ずしも全てのパイプにこのラインNo.が刻印されるとは限らないことに注意。

#1 John Bull

#2 Royal Prince

#3 His Royal Highness

#5 Royal Stuart

#6 Mayfair

#7 Old England / Berkeley Club

#9 Friar

Second lines 解説

Old England

Sasieniセカンドラインでももっとも安価なパイプである。ダークマホガニーのスムースフィニッシュと、ブラックラスティックの2フィニッシュで販売されていた。England's best pipe valueのキャッチコピー通り、非常にコストパフォーマンスに優れたシリーズ。スムースには大きめのパテ跡が2-3個ほど存在するのが普通。

Mayfair

オレンジ系ライトブラウンのナチュラルフィニッシュ・スムースのシリーズ。

MacDonald

オレンジ系ライトブラウンのナチュラルフィニッシュ・スムースのシリーズ。クオリティは非常に高く、後年の2-Dotシリーズに匹敵する出来。作りのよいヴァルカナイトステムに、微小なサンドピットと極少数のパテ埋めのボウル。

Kings Court

オレンジ系ライトブラウンのナチュラルフィニッシュ・スムースのシリーズ。クオリティは非常に高く、なぜセカンドに落とされたのか理解に苦しむパイプも存在する。ラグビーボールシェイプのMADE IN ENGLANDスタンプ、by Sasieniのスタンプ。

Windsor

ブラック/ブラウンカラーのサンドブラストフィニッシュのライン。クオリティは非常に高く、ブラストのテクスチャもキャラクターにあふれている。原則的にブラストパイプは埋めなどが判別しづらいため、もっともお薦めしやすいラインである。

Crown Coachman

ブラック/ブラウンカラーのサンドブラストフィニッシュのライン。スムースリム。ステムに大きな直列のドットが3つスタンプされているのが特徴。

Claret

その名の通り、濃いレッドのステインが特徴的なスムースフィニッシュのシリーズ。プラスチック製のターコイズ・ブルーのバンドを備える。また、スムースにはブルーのドットがインレイされるが、もちろん戦前の1 Dotグレードとは関係が無い。埋めあり。

John Bull

プラムレッドのスムースフィニッシュ。ショベルのような変わったアルミフィットメントが付属する。ライン・プレフィックスは#1。リムの形状やプレフィックスの若い番号から、戦前の古いセカンドラインと思われる。

Shape Numbers/Name Chart

1920年代の、town nameが登場する以前のシェイプナンバー体系。ラスティックにはナンバー末尾にRの文字が追加される。また、アメリカ市場での1930年代のナンバー体系一新ののちも、ヨーロッパ市場ではこの古い1920年代からのシェイプナンバー体系が戦後に至るまでFishtailロゴと共に使用されていた疑いがある。

# typesize
27rhodesianmedium
30billiardsmall
39potlarge
40lovatmedium
51billiardmedium
101foursquaremedium

 

1930年代のSasieniのシェイプ名/シェイプナンバー対応表。戦前には同じシェイプでもスムースパイプとラスティックパイプで別の名前がついていたが、1950年頃にはその区別は廃止され、ラスティックパイプに使われていた名前が新たに追加されたシェイプに回されたようである。また、廃止されたシェイプもあるようだ。(例として、1930年頃のビリヤードはAshfordの名を付けられていた。)下のシェイプリストは1950年代のカタログより引用したもの、ラスティックパイプの名前は1930年代のカタログより引用したものである。ここに挙げたのはナンバーと名前の対応が判明しているものだけに過ぎず、他にも多くのシェイプ/シェイプ名が存在するので注意。

# typename(30' rustic)
11 billiardCromer-
14 foursquareLincoln-
15 heavy shank applePutneyBlythe
16 half bent billiardRegentCranleigh
19 billiardPembrokeSandown
21 appleK of K-
22 half bent billiardWimbledon-
25 liverpoolRenfrewClifton
26 lovatMarlboroughBerwick
27 YachtmanEtonCambridge
29 liverpoolLancashireCoventry
30 appleWorcesterWrexham
31 appleNorfork-
38 princeBowlerElgin
39 billiardBarclay-
41 billiardWarwickCanterbury
44 canadianAmsburyCheltenham
47 billiardMarlow-
51 appleAppledore-
52 appleHurlingham-
53 londonerBelfast-
54 canadianRetford-
55 billiardBuckinghamHurlingham
561/2 bent billiardViscount LascellesChester
58 potMoorgateLombard
59 potLombard-
62 liverpoolLiverpool-
70 lovatStanford-
71 dublinHaslemere※1Derwent
72 potSmallgate-
73 potWingate-
74 appleAppleby-
77 bulldogBrooklands-
78 saddle bulldogMelton-
79 bent bulldogDanzey-
80 oom paulOom PaulCowes
85 squat bent bulldogRipon-
87 squat bulldogHendonHarrow
88 authorAshford-
89 small potHombrie-
93 stackEdgeware-
95 saddle bulldogReigate-
96 zuluBradford-
111 bankerExeter-
?? large bulldogWellington-

 

1970's Shape Numbers/Name Chart

1970年代のものと思われるパンフレットに記載のシェイプナンバー対応表。100番台の比較的新しいシェイプの詳細に注目。

# town nameshapebendOther
13Haselmere※2dublin--
15Rugbybrandy1/2-
16Regentbilliard1/2-
17Rutlandbilliard1/2-
19Penbrokebilliard--
19sPenbroke Sbilliard--
20Perthbilliard-diamond shank
29LancashireLiverpool--
30Worcesterapple--
38Bowlerprince1/8stem bent
39AFelstedbilliard1/8stem bent
44AmsburyCanadian--
52Hurlinghamapple--
52sHurlingham Sapple--
55Buckinghambilliard--
55sBuckingham Sbilliard--
56 Viscount Lascelles xsbilliard1/2-
56 sViscount Lascelles S xsbilliard1/2-
57Burtonbilliard1/2bottom edged
58Moorgatepot--
58sMoorgate Spot--
70Stamfordlovat--
71Victoriadublin--
71sVictoria Sdublin--
74Applebyapple--
76Middlebrookacorn1/8forward canted, diamond shank
78Meltonbulldog-diamond shank
79Danzey xsRhodesian1/4diamond shank
79sDanzey S xsRhodesian1/4diamond shank
88Asfordauthor1/4-
88sAsford Sauthor1/4-
97GrosvenorRhodesian1/4-
97sGrosvenor SRhodesian1/4-
99Canterburypoker--
100Cambridgeyachtman1/8stem bent
101Westminsterbanker1/8-
102Cumberlandsaddle billiard1/8stem bent
103Bristolsaddle brandy1/8stem bent
104Richmondvolcano1/2-
105Rexhamsaddle apple--
106Stratfordacorn1/2-
107Waterloo xsslanted acorn1/2-
108St.Andrewsdublin1/8pointed heel
109Piccadilly xsacorn1/2square shank, army mount, chairleg stem
110 Kensingtondublin1/8domed top
111 Exeter xsbanker1/8front bowl edged

 

 

 

※1、2このショート・ダブリンのシェイプ名は30年代のカタログではHaslemere、60年代のカタログではHaselmereとスペリングされている。ヘイスルメア、ヘイゼルメア共に実在する地名なので、後年(おそらくアルフレッドの代になって)混同が起こったのではないかと推測される。