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GBD Prestige collector #9675 Shillelagh perspex (1970's?)

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GBDのイノベイティブな側面を代表する、迫力のあるシェイプ#9675。"Shillelagh("シュレイリー"と読む)"とはアイルランド語で「棍棒」の意味で、このシェイプを底面から見るとまさに漫画に出てくるような棍棒の形に見える。"Shillelagh"なるシェイプ名は1977年近辺のSmoker's Havenのカタログにあったもので、オフィシャルの呼称ではないかもしれないが、当時アメリカ市場ではこの名で呼ばれていたのである。美しいPerspex Stemも手伝って、非常に異形な、それでいて愛らしい印象を与える素晴らしいパイプである。

Prestigeは60〜70年代においてGBDの高級グレードの一角を担っていたグレードで、ステインはナチュラルカラー。むらのない綺麗な染め上がりを狙ってマットフィニッシュで仕上げられていた。

Collectorとは、アメリカ市場を狙ったオーバーサイズパイプを示すコードで、スタンダードシェイプより二回りほど大きいパイプであることを示す。サイズの小さい順にConquestCollectorColossusとなり、値段もそれに応じて上昇する。同じシェイプ#254でも、スタンダードサイズ#254、#254 Conquest、#254 Collector、#254 Collossusの4サイズが存在したことになる。ちなみに値段は1977年当時のPrehistoricで、スタンダード$27.50、Conquest $32.50、Collector $35.00、Colossus $37.50となっていた。また、このオーバーサイズコードはGBDラインだけではなく、DigbyIrwin'sなどのいわゆる"セカンド"ブランドにも適用されていた。

Perspex StemはGBDの用意していた中でも人気のあったオプションで、当時『極度に耐久力の有るルーサイトの一種。永久的に輝きを失わず、唇にも快適な感触で、(a)噛みに対するの強い耐久性 (b)バイトマークがつかない (c)最高品質のヴァルカナイトも逃れられない日光による変色と無縁…等などの素晴らしい利点をもつ進歩した素材です』とのコピーとともに、1977年当時でヴァルカナイト・バージョンより$5.00高い値段で販売されていた。現在でもその独特の存在感は色あせず、ポリッシュで磨きこむとダイヤモンドのように輝くとても美しい素材である。

この個体は自分のGBDに対する嗜好を決定付けたパイプである。かなり汚れた状態で手元に届いたが、外見の汚れの割には前オーナーは非常に大事にこのパイプを扱っていたらしく、少々の手間で簡単にベストコンディションに戻った。目だった傷もなく、マットフィニッシュ独特のむらのない染め上がりを見せるボウルは非常に美しい。Perspex Stem内のタールの黄色い蒸着は最近除去方法を海外のBBSで仕入れたので近々テストする予定。見た目よりも扱い易く、1インチ近くある大口径のチャンバーと相俟って、イングリッシュミクスチャーをこの上なくリッチにレンダリングしてくれるパイプ。鍾愛の1本。

しかしGBDの9千番台のパイプは非常にバリエーションが多く、ebayでもニ、三の人気シェイプを除いては同じシェイプに滅多にお目にかからない。"Shillelagh"の名がつくシェイプはこの#9675のほかに#9672があるのだが、この個体以外、チェックしていても遭遇したことがない。できればスタンダードの小さいサイズのものをもう1本手に入れたいのだが…

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shape: #9675 Shillelagh
stem: perspex
junction: normal
color: natural
ornament:none
length:150mm
height:45mm
weight: 70g

nomenclature:
GBD (in oval)
Prestige(script)
Collector(script)
LONDON ENGLAND
9675
Goldish Metal "GBD" roundel (on the stem)

note:
・ボウルの色付き以外、ほぼ完璧なコンディション