Comoy's Tradition #188 Stack (1950's-mid60's)

pic01

description:

Traditionのシェイプ#188 Stack。この188番はExtraordinaireにアサインされることもある大型のシェイプであるが、このパイプはTraditionグレードとなっている。1950年代に流行したシェイプであり、Sasieniの"Edgeworth"シェイプと双璧をなす美しいStack。

pic02 pic03 pic04
pic05

Comoy #188 shape execution :↑

同じStackとはいえ、Sasieni "Edgeworth"とはまた違った風格を持つ非常にComoy'sらしいシェイプエクスキュージョン。ボウルと対比されるヘビーシャンクはばっさりと短縮化されてボウル本体の高さを強調し、そこから伸びるステムは優美にカーブを描きながらシェイプされてリップまで連続してゆく。ボウル下面のややフロート感のある曲面も美しい。

pic06 pic07 pic08

 

pic09

Briar texture of Comoy's Tradition:↑

Comoy'sのパイプを見ていて気が付くのは、現代の作家パイプにも通じるような木取りの仕方をしていることである。このサンプルもストレートグレイン系でこそないが、シャンクからボウルにかけて正確にエヴォションをアラインしていることが見て取れる。『ファクトリーのマシンメイド物は木取りなど考えられていない』という謂いは、このことからもただの風説に過ぎないことが判る。ステインはTraditionのトレードマークである、ダークレッド・コントラストのステイン。このダークレッドの染料は非常に耐久性が低く、Traditionは古い個体になればなるほど赤みを失い、単純なブラウンに近づいていくのが常である。この#188はまだ大部分オリジナルのダークレッドを保持している。

 

pic10 pic11 pic12

Comoy's Original metal-lined stem:↑

一点のゆらぎもなく正確に直線上に位置するステムジャンクションと、テノンのアップ。Traditionはヴァルカナイトが二段に切削されたステムを持つのが普通だが、このサンプルはLondon PrideやBlue Ribandによく見られる、金属チューブのライニングを持つステムを備えている。#188シェイプは通常Extraordinaireに属するシェイプであるせいだろうか。今後の調査待ち。

 

 

 

shape: #188 Stack
stem: vulcanite
junction: normal
color: darkred contrast
ornament:none
length:138mm
height: 62mm
chamber dia: 20mm
chamber depth: 52mm
weight: 47g

nomenclature:
Comoy's (in upper case, san serif)
TRADITION
MADE IN LONDON(circular stamp)
ENGLAND
188
3-piece inlaid C logo on the stem

note:
・ルーズステム
・リップ部磨耗
・リム軽度のラウンド