circa.1938 Ben Wade pipe brochure by Bercu Imports

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これもおそらく他のウェブ上では閲覧不可能な、極度にレアなLeeds Production期のBen Wadeの小冊子。"nearly 80 years"の記述があることから、1930年代後半のものであることがわかる。当時アメリカに於けるBen Wadeの輸入販売店を務めていたオハイオ州クリーブランドのBercu Importsという会社が、米国内で販売されたBen Wadeに付属させていたものである。

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1860年創業

ベン・ウェイドが初めてのブライヤーパイプ、精緻で、確かな腕前でデザインされ、美的なものにまで磨き上げられたパイプを作ったのは1860年のことでした。正当にも自分の作品の出来映えを誇りに思って、ベン・ウェイドはそのパイプに自らの名を刻んだのです。偉大な芸術家たちが自分の傑作に署名したのと同じように。

それから80年近くが過ぎた今日でも、ベン・ウェイドの名は職人芸の傑作を表しつづけています。人が創り出すことのできる最高のブライヤーパイプを。その当然の結果として、違いを知る人が居るところではどこでも、オックスフォードでも、ロンドンのクラブにおいても、ベン・ウェイドのパイプを見かけることができるのです。

ベン・ウェイド・パイプは1本1本、熟成されたブライヤーから細心の注意を払って削りだされます。完璧なバランス、美しい木目、サテンのように滑らかな仕上げ―これはベン・ウェイドの名が刻まれたパイプに共通する伝統の特徴です。しかしこれらの特質の中でも最大のものは、ベン・ウェイド・パイプがまさに最初の一服から、甘く、ドライで、冷たい煙をお届けできるという事実でしょう。

そして、喫煙を続けるに従って、古いバイオリンのような、使い込まれ磨き上げられた乗馬用ブーツのサテンの光沢のような、古いペルシア陶器のような、古い稀覯本の表紙のような、豊かで深い輝きをベン・ウェイドは身に纏っていきます。

ベン・ウェイドは、世界でもっとも素晴らしく、真に喫煙の喜びの最高の到達点なのです。

 

 

保証

焦げで穴が開いたり、製造ミスが見つかったベン・ウェイド・パイプは購入から三ヶ月以内なら新しいものと交換させていただきます。当然ながらこの保証は誤まった使用法のもとで使われたパイプには適用されません。またバルカナイト・ビットも適用範囲外です。

 

 

良いパイプは良い手入れに値します

・ゆっくり喫煙すること。速く、煽るようなふかし方をするとボウルが過熱し、時には焦げて穴が開くことさえあります。強風下での喫煙も同じようにパイプに害があります。

・馴染みのない物質(酒類や砂糖など)をボウル内に塗らないでください。ベン・ウェイドの煙は最初の一服から十分に甘いのです。

・灰を空にする時、固い面などにボウルを打ち付けないで下さい。灰を出す時にはボウル下部とシャンクを人差し指で保持し、もう片方の手のひらに向かって軽く叩くようにして行ってください。

・熱いボウルに再び煙草を詰めないこと。多孔質なブライヤーに、水分と煙を蒸発させる時間を与えてあげてください。何本かのパイプを所有して、ローテーションするのがおすすめです。

・大量にカーボンケーキを貯めこまないようにしてください。過度のケーキはボウルが破裂する原因となります。1.6mm程度がカーボンを堆積させる限度です。

・カーボンケーキの除去に、先の尖った、鋭い刃の刃物を使わないで下さい。ナイフの刃はボウル表面を削ってしまい、尖端のある道具はボウル底に穴を開けてしまいます。良質のパイプリーマーを使用してください。

・まだ暖かいパイプから、マウスピースを抜かないでください。横方向の力を与えることも厳禁です。マウスピースを抜く場合は緩やかに捻りながら、まっすぐに引き出す力で行ってください。

・パイプは清潔に。湿って酸味が出たパイプでは、煙草の味を味わうことはできません。多孔質なブライヤーに本来の仕事をさせてあげてください。(シャンク内を乾燥させる最上の方法は、二つ折りにしたパイプクリーナーを挿して一晩置くことです。)